日別アーカイブ: 2015/10/10 土曜日

視点を変える価値

先日、キリアンがウルトラピレネーのレースで動画を撮りながら走った映像が公開されていた。
世界一のトレイルランナーだけしか見れなかった視点を世界の人が見れる。重力がないかのように走る視線、キリアンだけが得られる多くの人からの声援・賞賛。

マムートの360というプロジェクトで、アイガー北壁を登るクライマーの背中に360度撮影のカメラを搭載して撮影した映像も公開されていた。この臨場感も、ただものではなかった。

リコーのシータは全天を写す。
Googleストリートビューも。
GoProも。
ドローンだってそう。

カメラは今までもあったが、その見せ方、撮り方が変わっただけ。しかし、それが価値。

視点が変わると全く違う世界が見れる。新たな価値に気づく。そうすると、新たな活用方法が見いだされ、新たなビジネスが生み出される。実は、今までもあったものでも、見せ方を変える、見方を変える、使い方を変えるだけで世界は一変するのだなと、つくづく思う。

ふと、マムートの映像やキリアンが撮影した映像を見ると臨場感を感じ、バーチャルリアリティの世界も近づいたのかなと思う。技術的に進歩したり、より通常の人間と同じ視点に近づくバーチャルリアリティ。そして、こうした映像を何度も見てその経験を重ねていくとバーチャルリアリティが人間の中で一般化して、バーチャルリアリティが生々しさを持つようになる。そうして、スタンダードになりそうな予感がしてきた。

何が言いたいかって、バーチャルリアリティの技術の発展だけではなく、人間がバーチャルリアリティを何度も体験していくと、人間の脳や感覚がバーチャルリアリティに合わせていく、そうして、バーチャルリアリティをより生々しく人間が感じるようになるんだなってこと。

いつかはバーチャルリアリティが、一般人の生活に入り込んでくると思っていたけど、ふとそれも近いなと感じたのだ。オキュラスとかも、10年後とか当たり前のように普及してるんだろうなーと思う。

いきなりバーチャルリアリティに話が飛んだが、完全に作られたバーチャルリアリティとこうした人が撮った異なる視点の映像は、大きく異なる点がある。

以前ブログで、友達の撮った写真は身近に感じると書いたことがある。同じ場所を撮影した写真でも、自分がとったもの、友達が撮ったもの、知らない誰かが撮ったものだと、全然感情の入り方も違うし、頭に描くイメージも違う。あくまで、写真を見ていても、実際に見ているのはその写真を元に作り出された自分の中のイメージであるためだ。

こうした人間の慣れや人間の感情をうまく活用しながら、技術は人々に馴染んでいくのだろう。

http://project360.mammut.ch

身近なこと、人の目線(street view)

http://www.teratown.com/blog/archives/001538.html