日別アーカイブ: 2014/9/13 土曜日

できることとできないこと

組織の風土を楽しくして、結果をだすことは得意だと思う。
それは、5人とか10人程度の組織を先導する場合において。

5人の組織と50人の組織は違う。
たぶん、50人の組織と500人の組織も違う。
500人と5000人の組織も違う。

5人であれば、すべての人と深く関われる。何をしているかも細かく把握できるし、サポートも手厚くできる。

50人の組織になると、名前とやっていることを把握することはできるが、すべての人に対して同じぐらいのコミュニケーションをとることはできなくなる。5人から10人の小さな組織にして、その組織を誰かに任せるということになる。自分の影響は直接的なものが減り、間接的なもの5人とか10人のリーダーを通してということになる。

500人となれば、全員の顔を覚えることも難しくなる。業務は何をやっているかなんて、一部しかわからなくなるだろう。もちろん、接する人は限定され、1年で1回も会わない人もでてくる。こうすると、組織を人ではなく、組織として捉えるようになるんだろう。組織や制度をどう変えていくか。個人の楽しさとかスキルアップではなく、組織全体として雰囲気がどうかとか、どんな傾向な人が多いかを理解して、制度を変えたり、打ち手を打つ。任せるということが非常に重要になるので、信頼できる人が何人ぐらい組織にいて重要な仕事を任せられるかがポイントになりそう。

5000人となると、想像がつかないが、ありとあらゆるジャンルを超えた情報や問題が入ってきて、それぞれにおいて瞬時に意思決定していく能力が試されるのだろう。大いなるビジョンを掲げたり、覚悟をもった意思決定が必要になってくる。4999人の一人ひとりを自分は知らないが、4999人は自分のことを知っているという、そういった存在になっている。さらに、社会的な目も自分に向けられるような存在になっているはずだ。すなわち、瞬時の判断をいくつも行いつつ、広い視点と深く先を見据えた洞察力を発揮して、ビジョンと制度を作り上げなければならない。その時には、社会的な存在における自分と組織も考慮にいれる。

まあ、想像でしかないけれど、今自分の見えているレベルだとこんな風に考えている。

何を書きたかったかというと、50人レベルになった組織をうまく運営していくって難しいなと思う。自分の発言や行動、作り上げた制度がどんな影響をあたえるの与えるのか。それを考え、組織の一人ひとりを感じ取りながらやらないといけない。

さらに、同じ職種や雇用形態であればもう少し簡単なんだろうと思う。例えば、全員営業マンとか全員企画屋とか全員オペレーターとか。全員正社員とか全員派遣とか。でも、デザイナーもいれば、開発もいれば、アナリストもいれば、プランナーもいる。同じ業務なのに正社員もいれば、業務委託もいれば。派遣や男女も年齢もバラバラ。そういった時に、どんなメッセージが一番届くのか。

自分が細かいことまで知って、入り込まないと組織をよくできない人間なので、自分がいなくても、誰かに任せたとしても楽しく結果の出せる組織にするためには、間接的な手段で影響力を及ぼし、組織を変える方法を身につける必要がある。

それが何かを考えると、こんなかんじじゃないかと思う。

■明確なビジョンを示す
 自分たちの組織が将来どうありたいか、どんな世界を作ることに貢献したいか。どんな理念を大切に日々の業務を行うか。将来の希望の光と日々の判断の指針みたいなもの。ここであえて「明確な」と書いたのだが、分かりやすさも重要だと思うから。No1になるとか、どこどこに勝つとか、世界初とか。そういったことは単純だけど、エネルギーになるのも事実。

■制度を作る
 評価の制度だったり、インセンティブのキャンペーンだったり、勤務時間や会議の時間や進め方だったり、学ぶ機会の提供だったり、目標設計の方法だったり。制度とか建物とか、そういった型があると、人間はその型にいつの間にか合わせて考えたり、行動するものである。だからこそ、人の考え方や行動がどう変化するかを踏まえた制度づくりが大切なのだ。

■人材配置(人に任せる)
 誰にどの業務をお願いするか。どの業務にどれだけの人を配置するか。それによって、組織全体が生み出す成果は変わる。適材適所もそうだし、重要な業務に貼り付ける人の数によっても。もちろん、教育目的でチャレンジミッションを与えたり、イノベーションを起こすために人を変えてみて、ぜんぜん違う視点から改善されることを期待したり。逆に引き継ぎミスを無くすために人を固定化したり。また、権限の移譲をして、より早い意思決定を促したり、現場感のある施策の実行を促進することもあるだろう。権限の移譲はモチベーションを上げるのにも活用できるし、ひとつ上の視点から意思決定をする成長機会にもなる。

■目標とかゴールの軸の設定
 目標やゴール、評価のされ方が変われば、人の行動が変わる。目標になる指標を何とするかは非常に重要で、不公平感ができるだけなく、数値的に良し悪しが判断つくものがいいだろう。売上なのか、利益なのか、新規数なのか、何に置くかは非常に重要。

■モチベーションアップのコミュニケーション
 すべての人と同程度コミュニケーションできるわけではないから、頑張ってそうだけど目立たないことを見つけたら声をかけてみるとか、表彰してみるとか。あとは、自分から直接言うだけじゃなくて、あの人が評価していたよ、と誰かに話してもらえるような仕込みをしてみるとか。

偉そうに書いたけど、できていないことばかりだから、意識してやっていきたいと思う。人が何人であろうと、楽しくやって結果を出せる組織が一番いい。時には苦しいこともあるけれども、その苦しいタイミングすら味わいつくしながらやっていけたらいい。さらに、ビジョンがあって、それにみんなが賛同していて、そのビジョン実現に向けて日々邁進していたら最高なんだろうなと思う。別に組織のリーダーが偉いわけでもなんでもないので、フラットな関係でいられたらいいなと。そんなことを思う上期の終わり。

あ、別に5000人の組織を率いていきたいなんて思ってもいないし、一般的な意味での偉くもなりたくない。正直な気持ちとしては、やったことないことをやりたいので、そういった立場も経験して、どんなもんか知りたいという気持ちはある。ただ、自分に向いているのは小さな組織だということを強く思うのだ。そっちのほうが自分の思考や行動パターンからしてうまくいく。

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