真冬の箱根ダブル

1週目は順調に10時間ほど。
あまり食べなかった。腹が減らない珍しい日。
ストックの持ち方を教えてもらったように変えたからか、足を蹴り上げず地面から少しだけ浮かして走るようにしたからか、疲れもあまりない。
久しぶりに走ったので、楽しかったからだけかもしれない。

しかし、2週目に悪魔が潜んでいる。

箱根湯本を出て塔の峰に着く少し前から雨。
それまでも風はけっこう吹いていた。

雨はぱらぱらだったのでそのまま進む。
さらに、気温が暖かかったので、大丈夫だろうと思っていた。

どんどん雨は強くなり、風は台風並。
さらに霧。足下すらはっきり見えない。
夜中の1時がすぎ、睡魔も襲う。

もちろん明かりはヘッドライトのみ。

足下はドロドロ。ぐちゃぐちゃ。
風であおられるし、足下がはっきり見えないので、足が取られたり、グラッと振らつく。
そんなときに突風。

雨は小雨で、2、3時間という予報だったし、夜中の0時頃まで星が見えた。
雨が降り出してもしばらく、雨具を着ずにいた。
ウェアが少し濡れていた。

雨が強くなるし、風で冷えるので、中間着2枚、そして雨具を着た。
レインパンツもはいた。

それでも、風が吹くとものすごく寒かった。
体が冷えた。

本当にゆっくりしか進めないので、体も温まらない。
ずっこける。全身泥だらけ。
低体温になってもいけないので、一応動く。
雪や凍っているところもあって、滑る。
半歩ずつ進むが、稜線は風が強すぎて、体が振られて危険。

雨具をしっかり着ているので、食料を食べるのもおっくうだし、体力も気力も奪われる。
カフェイン入りのエネルギージェルを飲むが眠さはなくならない。
トメルミンを飲むと睡魔が飛び、すこし体が軽くなる。
しかし、30分ともたない。
2錠目を飲むが、もう効かない。

かなり追い込まれた。
竹林の中に入って、風と雨をよけ、体操座りでエマージェンシーブランケットを羽織って仮眠(ビバーク)。

空がうっすら白んできた。
雨は上がっていたし、風もおさまっていた。
体力もあった。
でも、エスケープしようと決めた。
まずは、安全第一。
その後、青空が出てきて、ぽかぽか陽気。

天気次第でどんな山でも、姿を一変させる。
特に冬は気温が低いので、夜中の一人トレランは慎重にした方がいい。

あと、あたり前だがサバイバルブランケット、防寒着、雨具などは必須だ。
慎重にいこう。
調べていこう。
どんな山でも。

2014/01/25-26

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です