富士五湖ウルトラマラソン112k

軽く調整のつもりだった。
勝負レース前の緊張感もなければ、特別に意識した調整もしなかった。
ただ単純に112キロ走れば終わると思っていた。

しかし、100キロを超えるウルトラマラソンは、そう簡単にはゴールさせてくれなかった。

今回は5月に参戦予定の富士山の周りをぐるっと100マイル走るレースUTMFの調整として、富士五湖112キロにエントリーした。
心折れ部メンバーの多くはUTMFに参加するため、調整として同じように富士五湖にエントリーしていた。

そこで、21日(土)から皆で富士五湖へと向かった。
と、その前の19日には心折れ部だいたい1周年飲み&心折れ部Tシャツ第3弾のお披露目会が行われた。
今年のUTMF/UTMBに向けたTシャツの完成だ。
もちろん、富士五湖もこのTシャツで走ることに。

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21日はホヤさん、kyowさん、大ちゃんの4人で車で富士五湖へと。
富士北麓公園で受付を済ませると、別の車で来ているメンバーとも会う。

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貸別荘のパインツリーでみんなで宿泊。
ここは、富士急ハイランドからも近く、かつ落ち着いた感じの貸別荘。
さらに露天風呂付きと、かなり快適な宿だった。

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みんなで、夕食はカーボローディングを兼ねて山梨名物ほうとう。
早めに翌日の準備をして寝た。

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翌日は夜中の2時に起きて、朝食。
そして、112キロに参加するホヤさんと二人で、会場へ。
しかし、すでに駐車場は満車で、臨時駐車場に。
シャトルバスで会場へ向かおうとするが、バスが全然来ず、スタートギリギリに会場に到着して焦った。

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4時30分に112キロはスタートした。
雨の予報だったが、幸い午前中は雨が降ることなく助かった。

走りはじめて10キロ過ぎた辺りで、大がしたくなりトイレに。
1回ですめばいいのに、1時間ごとぐらいにしたくなる。
結局10キロごとに4回ぐらい行った。

さらに、胃腸は強いので今まで気にもしなかったが、胃がもたれる。
ガンガン食べて走るタイプなのに、60キロ過ぎぐらいまであまり食べられなかった。

足の痛みもやってきた。
右足の甲とアーチ部分が痛い。
そして、股関節も。

なんとまあ、こんな早い段階から。
辛い展開になりそうな予感がした。

もちろん、眠気も襲って来た。
眠くなるとスピードが出ない。
40キロ過ぎぐらいから、音楽を聴きはじめ歌いながら走ることで目を覚ました。

あまり調子が出ないので、もうリタイアしてしまおうかと何度も考えた。
このレースを完走するのがいいか、本命レースUTMFのためにリタイアがいいか。
結局、明確な答えは出なかったが、目の前の勝負に勝つことを決めた。
人生と同じで悪いことや悪い状況が発生するのは当たり前。
それをどう乗り越えるか。
100点の状態なんかありえなく、80点ならほぼ完璧。

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それにしても、ロードにはロードの練習が必要だと再認識させられた。
最近はトレイルばかり走り、距離は100キロや50キロを何でも走っている。
だから、ロードは何とかなるとなめていた。
しかし、トレイルの練習ではロードに対応できない。
こんな事実を突きつけられた。

謙虚さを失っていたなと痛感し、これからはどんなものに取り組むときも謙虚にしっかりとした準備をしようと決意した。

レースはなかなかしんどい状況が続いていた。
70キロ手前の大エイドを声、本栖湖は睡魔と時間との戦いだった。
もう、やってられないとも思った。

睡魔が襲って来て、無意識が強くなれば、意識で行動の型で解決するようになることが分かった。
無意識の領域がでかくなる直前に、意識的に音楽を聴いてみたり、歌を歌って目を覚まさせてみたり。
無意識の領域が大きくなる時に、人間は意識をもってそれを是正しようとする能力が自然と働くことはとても面白い反応だった。

そう、そんな状態になるほどしんどかった。
太ももは鉛のように重くなっていた。
何度も道の脇で寝ようかとも思った。

そんな状態ながら、走り続けた。
本栖湖を走り終えたの大エイド。
ここで、多くの心折れ部のメンバーにあった。

みんな、いい顔して一生懸命走っていた。
かっこよかった。
俺だけ情けないことは出来ないと思った。

みんなに会うと、自然にパワーが出て来て、眠気も吹っ飛び、お互いを大きな声で鼓舞し合った。
それから、何人もの心折れ部メンバーとすれ違って、抱き合ったりハイタッチして、お互いを応援した。

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雨が降り始め、体が冷えて来た。
長袖のシャツとウィンドブレーカーを着て、雨対策したけれど、実際はあまり意味がなかった。

雨に濡れながら、心折れ部のヒデさんと一緒に走った。
お互い、かなり疲れ果てた感じだったが、片方が遅れれば片方がひっぱり、その逆もしながら。

この10キロだけ走れば、のこり20キロは時速5キロで歩いても間に合うと話した。
しかし、冷静に考えれば、この状況で歩いてもそんなスピードで歩けない。
重い足を引きずるように走って、やっと時速5キロぐらいだった。
だから、走り続けるしか答えはないのだった。

歩いたり走ったり、ただ繰り返した。
ただただ、湖の近くを走って走って。

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もう、リタイアしたいと思うことが何度もあった。
でも、次のエイドまでは走ろう。
なんとか完走しようという気持と、眠さや体の疲労のせめぎ合いだった。

テンション高めの音楽を聴きながら、自分でカラオケしながら走っていた。
もう、嫌だ。とだだをこねたくなるほど辛かった。

しかし、ただ前に前に進む。
それしか、道がないから前にすすむ。

時計とにらめっこ。
制限時間とにらめっこ。

エイドの食料もダンダン少なくなり、ハンガーノックに気をつけつつ走った。
残り5キロからの上り坂。
全開出たときはここで歩いてしまった。
そこで、今回はその時の自分に勝つためにも走った。
でも、全て走ることは出来ず、歩いてしまった場所が合ったのはとても残念だった。

雨でずぶぬれになりながら、走っていき、最後の登りを終えた。
ついにゴールだ。最後はシャモニ通りを駆け抜ける。
なんだか、UTMBに続いている感じがして、自ずと気持が盛り上がる。

そして、ついに競技場へ。
するとエディさんが「テラマックス、おかえり!」とゴールで待っていてくれた。
他にもカネさんとトモさんも。
みんな、大きな声で応援してくれる。

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帰って来て良かったと思える瞬間だ。
最後は両手を高く揚げてゴールした。

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なんとかゴールで来た。
けれど、今回は一人だったらゴールできなかったと思う。
心折れ部の仲間の存在と応援してくれていた人がゴールさせてくれた。

ふじやま温泉で汗を流して東京に戻った。
やはりロードのウルトラはキツい。
トレイルのウルトラの方がやはり好きかな。

◆今回学んだこと
・仲間の大切さ
 →仲間が同じコースで戦っていることのよる勇気
 →すれ違うと無茶テンション高く、抱き合う
 →お互い、引っ張り合いながら走る。
 →ゴールにいてくれる喜び

◆次回に活かす
・ロードのウルトラにはロードのロング走練習が必要
・謙虚さを忘れず、しっかりした準備で望む。
・裸足系シューズで足の裏を鍛える?
・トレランシューズで走ったが、ロードのウルトラはクッション性の高いランニングシューズがいい
・基本は手ぶらで、制限時間のタイムだけ持った。
・ジェルと音楽プレイヤーだけ持って走るようにした。

◆結果
22ndチャレンジ富士五湖
開催日:2012年04月22日
開催地:山梨県富士吉田市
大会レポ
氏名: 寺町健
ナンバー: 260
種目: 112km男子
タイムリスト この記録は速報(参考記録)です
測定ポイント スプリット ラップ 通過時刻
20k 01:49:02 06:19:02
40k 03:48:06 1:59:04 08:18:06
60k 05:57:46 2:09:40 10:27:46
90k 10:33:53 4:36:07 15:03:53
Finish 13:43:14 3:09:21 18:13:14

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