日別アーカイブ: 2011/7/25 月曜日

日本一の頂きを我武者らに目指して4時間4分43秒

・日本の一番高い山に走って登る
・登りだけと言うクレイジーさ
・制限時間がかなり厳しい
・日本三大山岳耐久レースの1つ(残りはハセツネ、キタタン。こちらは完走済み)

こんな理由から何としてでも完走したかったレースが富士登山競走。
実は、ハセツネやキタタンは完走できると思って、トレランを初めてすぐにエントリーした。
しかし、この富士登山競争だけはあまりにもハード(登りのみ&制限時間の短さ)なので、逃げていたぐらいだ。

自分にとってはなかなか手強い相手だったので、さらに勝ちたくなる。
「ここには、過酷に挑む価値がある」まさに、富士登山競走のキャッチフレーズの通り。

そんな思いを胸に、体の調子、食事(禁酒)、運動量などをまじめに調整してきた。
久しぶりに勝負と決めたレースで試走にも2回行ったし、練習量アップも行った。

最近はランの調子も良かったので、完走は何としてでもしたいと思っていた。

そして、ついに当日を迎える直前に、台風がやって来た。
夏の台風はいつものろのろ、あっちにいったりこっちに行ったり。
富士登山競争がなくなるかもしれないと心配したが、無事に開催された。

当初は心折れ部のメンバーで前泊の予定だったけれど、DNS(Do not Start:棄権)の人も増え、泊まりは僕とエディさんだけになった。
おまけに、台風でどうなるか分からなくなったので、当日の夜中に車で向かうことに。
同じく心折れ部の岡野さんも車で行かれるということで、ピックアップしていただいて3人で向かった。

夜中の3時45分に阿佐ヶ谷出発予定が、環七の工事渋滞で少し遅れる。こんな夜中に驚き。来年は30分ぐらい早めてもいいかも。
目指すは富士吉田。いつものように、車の中ではトレランや富士登山競争の装備やタイムなど作戦について盛り上がる。

送信者 sports

5時45分ぐらいに駐車場に到着すると、無茶苦茶寒い。太陽は雲で隠れ半袖だと振るえるほど。本当に7月も下旬か?というほど。
頭をよぎるのは頂上の気温。駐車場が15度なので、頂上は0度からマイナス5度ぐらいか。
それはキツいな。ウィンドブレーカーだけでは寒いかもしれないと思った。

しかし、シャトルバスで富士吉田市役所に到着するとアナウンスが。
「頂上の気温は10度、快晴、無風」
???耳を疑った。
なんじゃそりゃ、最高にバッチリな気象条件。

最初のロード区間は暑くないし、頂上は温かいし、これ以上の天気を求めるのが無理な話し。
当初はハイドレーションに水をもって行く予定だったが、天気を踏まえてもって行くのを止めた。

送信者 sports

あんだんごといなり寿司の朝食をとる。
受付を済ませて、ゼッケンをつける。5合目行きの荷物と市役所に置いておく荷物を預ける。
仲間と別れ、軽くストレッチとジョグ。
スタート30分ほど前にスタートラインに並ぶ。今回はBブロック。
Bブロックの中では前から10列目以内にポジションを確保。

主催者などいろんな人の挨拶が一通り終わると、7時にスタート。
走り出す。1年ぶりにこの感覚を味わう。

送信者 sports

最初は富士吉田市役所(標高770m)から馬返しまでが一区切り。
ここまでを約1時間目安で走る計画。
市役所から富士浅間神社(標高850m)までの3キロは緩やかな登りの道路だ。
日射しがあるのと、登りが続き辛い。
でも、馬返しまでは走り続けなければならない。
耐え忍び走り続ける。
今回は水をもって走らないので、給水では水とスポーツドリンクを毎回飲む。

7.2kmの中の茶屋(標高1,110m)まで来ると、凸凹した道路に変わる。
しかし、緩やかな登りであることに変わりはない。
辛い、歩きたいが走る。
トイレに行きたくなったので、薮に入って小便。

時計のタイムと回りの人のゼッケン番号を見ながら走る。
ゼッケンは速い人から1番から順になっている。
前回よりタイムアップ&完走を狙うので、自分のゼッケンよりも若い番号の人が多くいる集団を走っていないといけない。
俺は1343番。それを意識して、ゼッケンが700~800番ぐらいの集団と走った。
しかし、ロードは遅く少しずつ抜かれた。何とか走り続けることだけに集中した。

ガードレールが見え、あともう一踏ん張り。
最後は急な上り坂を走って、10.8km地点の馬返し(標高1,450 m)だ。
計画よりも少し遅い1時間3分21秒。
まあ、5合目までで取り戻せるタイムだ。
700メートルの登りロードを10キロ1時間なら悪くないペースだが、富士登山競争はそれぐらいのタイムじゃないと完走できない。

続いての目安は5合目の佐藤小屋(標高2,230 m)に2時間だ。
距離はスタートから15キロ地点だが、ここからトレイルに入り斜度もキツくなる。
ロードよりはトレイルが好きなので、ここまで来たらほっとした。
さらに、この馬返しからは試走で2回も頂上まで走っているので感覚が分かる。
エイドでレモンと水を飲み、さあ、登るぞ。

送信者 sports

走れる所は走り、急な所は早歩きを意識。
多くの人がいるので、抜けるタイミングで抜いて行く。
辛いには変わりないが、最初のロードの地獄さと比べればマシだ。
5合目の佐藤小屋(標高2,230 m)には1時間59分28秒。
ほぼ、予定通りでここまで来ている。
念願の富士登山競争の完走が見えて来た。
さらに、4時間切りも不可能じゃないタイム。

次なるポイントは太子館(標高3,100 m)に3時間。
5合目をすぎると、樹林帯を抜け砂利と岩の大地を這い上がる。
ここからは酸素が薄くなるので呼吸が乱れないように、大きく吸って大きく吐くことを意識した。
しかし、2回目の試走より、調子は良くなかった。
大会で気分が高揚しているのか、馬返しまでの1時間のロード区間が響いているのか。
さらに、飲みたい時に水が飲めないのがマイナスだった。
水は少しずつ回数を分けて飲みたいのに、エイドだと一気にたくさん飲まないと行けない。
500mlでいいからハイドレーションに水を入れてもつべきだった。

代用でアミノバイタルジェルとVESPAを水分補給の変わりの意味も含め飲んでいた。
ゴール直前に飲んでもエネルギーにならないので、早めに飲むことを意識。

イマイチだなと思っていたら、タイムもそうだった。
2時間30分を目安にした日の出館/花小屋で5分遅れ。
3時間予定の太子館が、かなり遅れて3時間6分ぐらいになってしまった。
4時間切りはキツそうになった。

できるだけ呼吸を大きく吸うようにして、足を前に前に。
平らな部分など走れる所は走る。
すると3時間30分予定のトモエ館で3時間33分に。

送信者 sports

また、4時間切りが見えて来た。
よし、何とか行くぞっと気合いを入れてスピードアップ。
と行きたい所だったが、足がついて来なかった。
疲労がたまり、スピードアップすると足がふらついた。
頭も酸素が薄いなと少し感じた。
ラストスパートは無理だった。。。

ここで、頑張りすぎてぶっ倒れて完走を逃すのももったいない。
ここは冷静に、一番大きな目標である完走を確実に勝ち取りに行くことにした。
今までのペースで、登る。

送信者 sports

あと、30分で頂上だ。
頂上の鳥居が見えてくる。
山で行き着く先が見えると、はるか遠くにあるように感じてしまうが、実際は見えたと言うことはかなり近い。

送信者 sports

応援に来ている方に声をかけてもらい、元気になる。
4時間5分切れるよとの励ましの言葉。
自分の時計とにらめっこしても、行けそうだ。
よし、最後の一踏ん張り。
最後、なんとか駆け上がり4時間4分43秒でゴール。

送信者 sports

やったよ。まじでつらかった。
つらかったが、とてもうれしかった。
念願かなった。
少しだけ強い男になれた気がした。

頂上は温かく、青い空が広がっていた。
飛び立つ鳥のような美しい雲も空に浮かんでいた。

送信者 sports

心折れ部のみんなのゴールを待つ。
すると岡野さんがゴール。
昨年に続き完走。すごい。

5合目と富士吉田市役所でも合流し、紅富士の湯で汗を流して東京へと戻った。
8月は何もないし、ゆっくり休もうと思う。

◆次回に活かすこと
天気は最高だった。ロードは暑くなく、頂上は寒くない。半袖で問題なかった。
→スタート前の頂上の天気のアナウンスに従って、持ち物を柔軟に変更するべき。

ハイドレーションはもって行くべき。
→エイドは定期的にあるが、自分の飲みたいタイミングで飲めない。さらに、少しずつ飲みたいのに、エイドだと一気にたくさん飲まないと行けないのが辛い。

5合目以降のエイドはほぼ水のみ。
→ジェルなどをもって行く。

スタートから馬返しまでの緩い上り坂のロードがものすごく辛い。
→この区間の練習またはそれに類する登りトレーニングをするべき
→4時間を切りたいのであれば、試走は富士吉田市役所から頂上までをやると効果的なはず

回りのひとのゼッケン番号を見ながら走る
→ゼッケンは速い人から1番から順。そこで、前回よりタイムアップを狙うので、自分のゼッケンよりも若い番号の人が多くいる集団を走っていないといけない。それを意識した。

◆第64回富士登山競走
開催日:2011年07月22日
開催地:山梨県富士吉田市
氏名:寺町健
ナンバー:1343
種目:山頂コース男子
天気;午前6時の富士山頂は無風、快晴、気温10度。
   山頂コーススタートの午前7時、富士吉田市役所前は18・2度、5合目は23度
完走者:山頂男子1242人(完走率57・3%)女子50人(同40・3%)
    5合目男子1042人(98・8%)同女子166人(96・0%)

ほぼ2回目の試走と同じペースを頭に入れて登って行った。
ただ、試走は馬返しからしか走っていないので、スタートか馬返しまでのひたすら緩く続く登りが1時間プラスされている。
なんといってもこれが辛いのだ。

◆タイム計画
スタートから馬返し1時間
5合目(佐藤小屋)(2時間)2230m
日の出館/花小屋 (2時間30分)
8合目太子館 (3時間)3100m
8合目元祖室 (3時間20分)3250m
トモエ館 (3時間30分)
頂上(浅間大社奥宮) (4時間)

◆結果
ゴールタイム:4時間4分43秒
スタート AM07:00
馬返し 01:03:21     08:03:22
五合目通過 01:59:28 0:56:07 08:59:28
八合目通過 03:32:05 1:32:37 10:32:06
Finish 04:04:43 0:32:38 11:04:43

◆朝食
いなりずし
あんだんご

◆ラン中に食べたもの
登り
アミノバイタルジェル1袋
VESPA 1袋

◆エイド

スポーツドリンク
レモン
バナナ
パン

◆着たウェア
ぼろぼろになったも良い靴(下りでソールがダメになる)(アシックスのランニングシューズ26.5cm)
バック ルーファス(グレゴリー)
帽子 ランニングキャップ(mello’s)
ニューバランスのラン用短パン
時計 BARIGO NO.46 Wrist-On Altimeter/Compass
靴下(ザムスト)
スパッツ C3fit  パフォーマンスタイツ ロング
Tシャツ 心折れ部Tシャツ
コンプレッションウェア 半袖
ニューハレのテーピング 両膝と両足のくるぶし。右くるぶしは下から上に2本と、かかとを後ろから包み込む様にテーピング
パンツ ユニクロ シルキードライパンツ
アームカバー ザムスト

◆山にもって行ったが使わなかったウェア
ウィンドブレーカー(ブルックス)
軍手(薄手の物が良い)

◆もって走る装備
カメラ
携帯電話
財布(お金、カード最小限、保険証) 使用せず

◆下山用アイテム
マスク、あった方がよい

◆万が一の装備(市役所に置いておいた)
大会参加ハガキ
ハイドレーション
ヘッドライト
ハンドライト閃SG325
ダウンジャケット
コンパス(方位磁針)
速乾性長袖(ロウアルパイン)
地図(高低差のコピーと地図をビニール袋に入れる)
ゴミ袋
ウェットティッシュ(汗&トイレ&手ふき)
ゲイター(変わりにガムテープ?)なくても何とかなる
帽子につける日よけ、なくても何とかなる

・下山後or下山前or着替え
タオル
シャツ
ズボン
パンツ
靴下
スリッパ
サロンパス
ハサミ
ニューハレのテーピング

・もってないけどあった方がいいかも
エンライテン(足が吊りにくいサプリ)もあるといいかも
ファイテンのチタンバン
ベスパ
ゲイター