全力でやり抜きたいのに、抑えなければならない辛さ。

全力でやり抜きたいのに、抑えなければならない辛さ。
それが、精神的にこんなにもストレスフルだとは知らなかった。

トレランは好きでやっていて、レースでは精一杯挑んで来た。
心が折れてしまい、歩いたこともたくさんある。
でも、精神的にはやれるところまで、やっていた。

けれど今回は、できるのにあえて抑えなければならなかった。
それは、中4日で富士登山競争があるから。
富士登山競争は日本三大山岳耐久レースのひとつで、長さのハセツネ、アップダウンと暑さのキタタンと並び三大レースの一角をなしている。
富士登山競争は登りだけで、なかなかハードかつ制限時間も短いので、完走率が低いレースだ。

今までにハセツネ、キタタンとも完走しており、残る富士登山競争も絶対に完走したい。
このレースのためのトレーニングも繰り返して来たし、登りだけだと無駄な体重が邪魔をするので体も絞って来ている。

そんな本命レースの直前に、65キロのトレイルレース。
足に疲労がたまってしまい、富士登山競争にはよい影響があまりない。
しかし、野沢温泉トレイルに出たのは、UTMB(ツールドモンブラン)に出るポイントをゲットするため。
俺が必要な2ポイントをゲットできる大会が、今年は残す所これしかなかったのだ。

一兎をも得れないかもしれないが、二兎を追うことにした。
そのために、出来る限りの対策を講じた。

その大きな対策のひとつが、野沢温泉トレイルを全力で走らず、筋肉へのダメージを減らすこと。
幸いにも野沢温泉トレイルの制限時間が20時間とすごく緩いため、この方針をとった。

こんな理由から、全力ではなく、できるだけキープして走ることになった。
ただ、これが辛い物であった。

まだまだ走れる。さらに渋滞でもない。
それにも関わらず、ゆっくりペース。
明らかに自分より遅そうな人にも抜かれて行く。
自分がまだ割り切れていないのだろうけれど、悔しい。
本当なら抜かれないのにとか、ちっぽけな感情が沸いてくる。

でも、ゆっくり走ると決めたからには、そうするしかない。
自分がどうしても勝ち取りたい果実は、その先にあるのだから。

感情をコントロールして、結果につなげる。
人間としての修行が足りないなとつくづく思った。
鍛錬して徳のある人間に近づきたいと走りながら想い続けた。

一方でただ我武者らにやること、走ることが一番ベストな結果に結びつくとも想わない。
最初からぶっ飛ばして走って、後半疲れきって走れない。
結果的に、前半を抑えた方が良い結果になることもある。
我武者らに練習して体を壊して、走れなくなることもある。
練習量を抑えて、体調万全で挑みよい結果になることもある。

そのあたりのさじ加減を、うまく自分自身でコントロールできるようになりたい。
自分の肉体、やりたいと想う感情、冷静に判断して知力のバランス。

送信者 sports

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