日別アーカイブ: 2011/7/13 水曜日

360度ぐるっと青空~夏山のスタートは甲斐駒ケ岳~

やりたいことがあると色々と調べる。
条件があると、さらにそれを満たしているか詳しく調べる。

今回の山は以下の条件で調べた結果。

・夏山のシーズンだし、どこかのんびり遊びに行きたかった。
・日曜の7時からは飲み会があり、帰ってくる必要があった。
・小屋は混むのでテントをはれる所。
・富士登山競争があるので、3000メートル前後の山。
・今まで行ったことのない山。
・公共交通機関で行ける。

北アルプスも考えたが、どうしても東京に戻ってくるのが19時過ぎになってしまう。
中央アルプスはテントをはれる場所が木曽駒ヶ岳のみ。
アクセスとテントの条件だけで、南アルプスに絞られてくる。
標高の高い所で富士登山競争の高度順応をするには北岳がベストだが、去年の同じ時期にも行ったので避けた。
すると甲斐駒ケ岳に絞られて来た。
あのゴツゴツした男らしい山の形も好きだったので、ここに決定。

1日目の行程が短いので、朝はゆっくり起きて行けるのでラクチン。
7:50分の阿佐ヶ谷発の電車に乗り、立川でスーパーあずさに乗り換える。
席に座れるかと思ったら、指定席もなく自由席もない。
しかたなく、デッキで1時間ちょいすごす。
車窓から見えるのは青空と鮮やかな緑。

甲府駅について、いつものようにバスの列に並ぶ。
バスの出発よりも30分ぐらい速かったので、前から10番目ぐらい。
だんだん暑くなって来た。

まずは広河原行きのバスで2時間ほど。
広河原に着くと、次は北沢峠行きのバスに。
北沢峠についた時には既に12時45分。
家から5時間ほどかかって到着。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

さーて、登るぞ。
今夜は仙水小屋にテントを張るので、仙水峠方面へ。
ブナの原生林がとても、鮮やかで爽やかだ。
北沢駒仙小屋の脇を通って行く。
テント場も大きく、川が流れ水も豊富なのでのんびりキャンプには良さそうな場所だった。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

それから、川沿いをどんどんと登って行く。
快晴で日射しが強かったが、樹林帯の中を歩いたのでそこまで暑さは感じなかった。
まだ、新緑の時期で透き通るような緑が涼しげだった。
透明感のある緑が重なり合うと、また美しい。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

山の中はきれいに苔むしたところもあり、下を見ても横を見ても上を見ても緑が楽しめた。
仙水小屋には13時40分に到着。
写真を撮りまくってのんびり歩いたが、50分ほどで到着。
この小屋も水が豊富に流れていて、何不自由なかった。
といれも水が常に流れていてキレイ。
そして、キンキンに冷えた雪解け水はうまかった。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

まずは、テントを張る。
今日は俺を含めて3組だけがテントだった。
そんなに広いテント場ではないので、ちょうど良い。
回りが木々に囲まれているので、風は遮ることができる。
一方で眺めが良くないのは残念だった。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

さあ、自分の寝場所も確保した。
まだまだ時間が早いので、地図とカメラと水をもって仙水峠まで軽く走る。
きれいな樹林帯のトレイルと岩がゴツゴツした場所。
なかなか面白い。
すぐに仙水峠につくと、東方面に一気に視界が開けた。
明日はこの場所で日の出を楽しもう!
まだ、時間もあったので軽く栗沢山へ登って行く。
途中まで行って、あまりにもアブが多いので、引き返すことに。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

栗沢山方面から引き返す時に、摩利支天が目の前に見えた。
どうどうとそびえ立つ摩利支天の姿は圧巻。
ちょうど摩利支天を雲が包みはじめた。
なんと摩利支天の回りだけを見事に雲が包んだので、岩が宙に浮いているようだった。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

岩の場所まで行き、寝転がって音楽を聴く。
峠でも2,3人しか人がいなかったので、ひとりでのんびり昼寝タイム。
山に来るとこういうゆったりとした時を過ごせるのが好きだ。
小さな島を旅して浜辺で寝ているのと同じような感覚。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

さて、腹も減り夕方近くなったので、また走ってテントまで戻ることに。
お茶を沸かして、行動食兼おやつとしてもって来たかりんとうをつまむ。
テント脇でのんびり本を読みながら、音楽を聴きながら。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

最近の週末は富士山トレラン、雲取山トレラン、野尻湖トライアスロンと体をしっかり動かしていたので、こうしたのんびりした時間がとても豊かに感じた。
それから、夕食の準備。ひとりだとついついめんどくさくてラーメン。
ただその前に、野菜スープを作って飲む。
その後、残った野菜を入れたラーメン。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

ただのインスタントラーメンなのに山で食うと最高にうまく感じるのはなぜだろう。
友達ときて、もっと豪華な料理にするとよりうまいんだけどね。
腹も満たされた。満足満足。
水がたっぷり流れ続けていたので、鍋とかフォークを洗わせて頂く。
山で食器を洗えるなんて、すごいよな。
その辺にはえていた雑草で鍋を洗えば油もスッキリ。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

歯も磨いて18時過ぎにはおやすみなさい。
まだ明るかったが、雲が厚く夕日は期待できなさそうだったので寝ることにした。

標高が2000メートルちょいで、かつ樹林帯なので風もなく、全然寒くなかった。
ダウンなんか着なくてもシュラフだけで問題なし。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

熟睡して目を覚ましたのが夜中の1時。
さて、ここからが星空タイム。
満天の星空は見えるかな、どうかな、なんて期待しながらテントを開ける。
おっ。良い星空だ。無数の星が空にちりばめられている。
興奮して、カメラを手にテントから這い出る。
空を見上げながら、夜風にあたる。
ああ、気持いい。幸せだ。

とくに何をするでもないけれど、1時間ぐらい空をぼーっと見ていた。
小学生の頃にフェリーで大阪から九州に行った。
その時に、初めて満天の星空を見た。
こんなにも星ってあるんだ!と心の底から驚いて、星に魅せられた。
それから、ずっと星空が好きだ。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

テントの中に戻ったけれど、寝つけず音楽を聴きながら体を休めた。
日の出を見に行くために3時には起きる予定だったので、1時間ほど。
3時に起きて、片付けをしながら、朝食を食べる。
3時30分にはテントも片付けパッキングも終了。
ヘッドライトをつけて、真っ暗な山道を歩き出す。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

昨日の夕方に道を歩いていたので、安心して登って行く。
真っ暗な山道と言うのは、本当に闇で、静かで、少し怖い。
20分も歩くと樹林帯を抜け、ちょうど空が白んできた。
淡く透き通る紫と紺色の中間のような空は静寂だ。
昼間と同じ風景なはずなのに、そんな夜明けは世界を幻想的に魅せてくれる。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

仙水峠の向こう側の空がすこし赤くなりはじめていた。
太陽が昇ってくる。
同じテント場にいた大学生の数人が先にいたが、もう待っていられないと痺れをきらして頂上へと歩きはじめた。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

仙水峠には俺ひとり。
こんな良い場所で、日の出を独り占め。
たまらんな、こりゃ。
4時40分ぐらいに顔を出した。
まぶしい。いい一日が始まりそうだ。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

今日の晴天を約束してくれるかのような日の出で、もう興奮。
下に見える雲海も太陽に照らされて、柔らかなオレンジを帯びた。
ご来光を満喫して5時に山登りスタート。
樹林帯を登って行く。なかなか斜度があり、いい負荷のかかりかた。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

木々の間から日射しが差し込み、またいい絵だ。
しばらく行くと、仙丈ヶ岳が見え、富士山が頭をひょこっと出した。
さすが南アルプスだけあって、富士山が近い。
そして、富士山のあの滑らかなラインは本当に美しい。
見ているだけで惚れ惚れする。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

駒津峰でひと休み。
まったく疲れないかと思ったら、重い荷物を担いでいることも会ってか意外と登りがハードで、ちょうど良かった。
目の前に甲斐駒ケ岳がそびえ立った。
ゴツゴツして男らしい山だ。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

六方石からは直登コースをとった。
マキ道よりも楽しみがある。
手を使って、よっこらしょと岩を越えて行く。
砂利道を経て、思ったよりも突然頂上に。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

頂上はかなり広くて360度見渡せた。
最高の眺望の山頂だ。
もちろん今日が雲ひとつない快晴だからってのもあるけれど。
風も強くないし、水を飲み、おにぎりを食らう。うまい。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10
送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

あまりにも天気に恵まれ、長めがいいので、ワクワク心が躍った。
うれしくてジャンプしながら移動して、360度見て回り、写真をとり、寝転んで、音楽を聴いた。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

頂上に1時間以上も滞在してしまった。
もう、ここから降りたくないと思うほど。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

帰りの時間もあるし、下から雲が上がって来たので下山することに。
下りはマキ道から。砂利が多くて滑る。
ズルッといくので、直登よりも危ないと思う。

六方石、そして駒津峰を経由した。
下山は行きとは違う道で、双児山を経由して北沢峠に。
こちらも緑が美しいトレイルで、景色を楽しみながら下山。
暑くなる頃、途中からは樹林帯に入り、てくてくと降りて行った。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

バスは13時5分なのに、11時30分前に北沢峠まで降りてしまった。
バスの順番だけ確保して、北沢駒仙小屋方面の小川へ。
火照った足をクールダウンするために、川で遊ぶ。
しかし、雪解け水は想像以上に冷たくて、長い間は入っていられなかった。
足をつけて、また出して、またつけての繰り替えし。
でも、気持よかったな~。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

バスの時間になり、広河原まで30分。
バスの中から見た雲はモクモクした入道雲。
夏が始まったなーと感じ、それだけでもまたワクワクして来た。
夏はやっぱり子供心が蘇って来て、ワクワクが止まらない。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

広河原に着くと、乗り合いタクシーのおっちゃんが声をかけて来た。
バスと同じ2000円で、甲府駅まで行ってくれると。
さらに、バスよりも30分速い。
じゃあ、これしかない。
ということで、乗り合いタクシーで1時間30分ほど。
甲府駅に到着。
今までの涼しさとは真逆のムシムシ暑い日常が待っていた。

送信者 甲斐駒ケ岳20110709-10

また特急では席に座れなかったが、17時前には家に着き、洗濯とテントを乾かして、無事に飲み会にも間に合った。

===

なんか、今日はいつにも増して説明的な日記になったな。
まあ、いいか。

===

◆次回に活かすこと

・夏用の登山靴を買う。(10年使っているのでソールが薄くなった)

・砂利道は気をつける。(危なくないけど、ズルッと滑る)

・山はやはり早朝に限る。(いつも思うけど)

・夕立がパラパラ。山の天気は変わりやすい。(こちらもいつも思うけど)

甲斐駒ケ岳
日時:2011年7月9,10日 (1泊2日)
天気:晴れ

◆行き

7:50 阿佐ケ谷 発 7:59 三鷹 着 電車 – JR中央線中央特快・高尾行 8:05 三鷹 発 8:17 立川 着 電車 –
JR特急スーパーあずさ5号 8:22 立川 発 9:28 甲府 着

バス
甲府駅 市営芦安駐車場 夜叉神峠登山口 広河原
10:00 → 11:10 11:15 11:56

バス
広河原 野呂川出合 北沢峠
12:15 12:30 12:40

◆帰り
バス
北沢峠 野呂川出合 広河原
13:05 13:15 13:30

バス
広河原 夜叉神峠登山口 市営芦安駐車場 甲府駅
13:40 14:21 14:26 → 15:36
乗り合いタクシーがバスと同じ値段の2000円。さらに、バスよりも30分以上速く甲府駅に着くので、上記のバスには乗らずタクシーを選択。

甲府駅を15時過ぎに出て、1645分ぐらいには阿佐ヶ谷駅に着

◆小屋
仙水小屋(北沢峠から40分コースタイム)
標高2,130メートル
仙水峠まで40分。ここからは日の出が見える
【1泊2食】6,500円 飯がうまいとの噂
【寝具付素泊】4,000円
【寝具無素泊】3,000円
テント400円(今回はテントでした)

◆食事
1日目 朝:いなりずし、パン 昼:おにぎり、パン 夜:野菜スープ、ラーメン
2日目 朝:パン 昼:おにぎり、パン

行動食:かりんとう、キャラメル、ようかん、パン
緊急食:カロリーメイト、SOYJOY

水:スポーツドリンク 500ml×1本
  水2リットル (Platypus 2.5L)

◆装備
バックパック(Mt.Dax 何リットルか分からないけど、60リットルぐらいかな)
   バックパックカバー(イスカ 40-60L)
   シュラフ 快適睡眠温度0度 (モンベル・U.L.アルパインバロウバッグ#3)
   テント一式(モンベル・クロノスドーム2型)
   テント用のグランドシート(モンベル)
   銀マット(今回はなし)
   エアマット(マジックマウンテン)
   方位磁針(シルバ)
   地図(雨で濡れてもいいようにビニル袋に入れる)
   登山計画書
   ホイッスル
   ヘッドライト(Petzl)
   電池(ヘッドライト用)
   携帯電話×2
   携帯電話充電器×2
   文庫本
   ペンとノート
   コンパクトデジカメ(Panasonic Ft2)
   コンデジ用電池
   デジタル一眼レフカメラ(PENTAX K10D)
   デジタル一眼の充電器
   カメラレンズ(SIGMA、PENTAX)
   カメラのお掃除セット
   カメラのバック
   コッヘル(snowpeak)
   バーナー(Iwataniプリムス)
   キッチンペーパー
   スプーンとフォークのセット
   割り箸
   多機能ナイフ(ビクトリノックス)
   コップ
   歯ブラシセット
   眼鏡ケース
   ウェットティッシュ 大きめサイズ20枚
   薄いタオル
   トイレットペーパー(芯を抜く)
携帯虫除け
   ムヒ
   常備薬(風邪薬、軟膏、整腸剤、絆創膏)
   圧縮袋
   水を入れるパック(Platypus 2.5L)
   ビニル袋(5枚)
   財布
   保険証
   細引きのヒモ

服装:
   雨具上下(モンベル)
   ダウンジャケット 青色 (Lowe Alpine)
   登山用タイツ(4DM)
   短パン(ニューバランス)
   靴下(ユニクロ) 替えも
   パンツ 
   速乾性シャツ 
   速乾性ハイネック長袖シャツ 緑(LoweAlpine)
   ハーフパンツ
   薄い速乾性長ズボン(モンベル)
   軍手
   帽子
   腕時計(Barigo)
   登山靴
   雨に濡れた場合の着替えも考慮

食料:おにぎり 
   チョコスティックパン 
   ラーメン(袋ラーメン)
   カット野菜
   チョコ
   キャラメル
   クッキー
   カロリーメイト
   紅茶のパック
   ココア
   アミノバイタル ジェル
   アミノバイタルドリンク
   パワージェル
   アミノバイタル顆粒
   アクエリアスの粉
   水 2.5リットル
   ようかん
   どらやき
   かりんとう

状況によって持っていくもの
   軽アイゼン
   ストック
   ソフトシェル(アウトドアリサーチ)