江刺鹿踊。西馬音内盆踊り。

前回の東北祭り旅日記はコチラ「白馬岳に日は昇り、東北新幹線で日は沈む

遠野から目指すは江刺。なぜ江刺かといえば江刺鹿踊(えさしししおどり)があるから。江刺の最寄り駅である水沢駅を目指す。水沢駅からタクシーに乗り江刺へ向かう。遠野での素敵な出会いもあり、長居したせいもあって鹿踊は17時から開始するのだが、少し遅れてしまっている。タクシーの車窓からはすでに鹿踊が見えた。中村旅館と言う古くからありそうな宿に荷物だけを置いて道路へ出る。この日、鹿踊は3カ所で行われていたらしいが、旅館のすぐ近くでも鹿踊を舞っていたのでそこでまずは見る。初盆を迎える家の人の前で鹿踊は行われる。

お腹に太鼓をもち、獅子の面をかぶった男たちが8人歩いてくる。そして、初盆を迎える家の前で舞い始める。太鼓を鳴らし、歌を唄い、背中から伸びた長い木を上下左右に舞いを行う。20分ぐらいの舞いを終えると、全員で座り家の方からお礼を頂いて舞いは終了した。

さて、次を見に行こう、と思ったら6時で全てが終了らしい。周りの人に聞くと、今日はもう終わりだと。おお、あっと言う間だった。しかし、未練もあって音がする方へ町を歩くも、町内の盆踊りの音であった。じゃあ、飯でもということで数少ない飲食店から和食の店をチョイス。江刺ではあんかけうどんを売り出しているらしいので、食べる。そこそこ上手い。けど、暑い夏に熱いあんかけうどんはちょっと不向きかもしれない。その後、町内の盆踊りへ。若者の集団がYOSAKOIソーランを踊る。。。全国津々浦々、若者が踊ると言ったらYOSAKOIソーランのようだ。ある種のブームでどこへ行ってもYOSAKOIソーランになっている。こうなると、各地で長く続いてきた祭りが姿を消してしまうので、寂しい。一方で若者がひとつになれるものがあるのはいいなとも思う。そんな盆踊りを見て、宿に戻り眠りについた。

2009/08/16
翌朝起きて、西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり)を目指す。水沢駅から北上駅、横手駅を経由して湯沢駅へ。道中の横手駅では横手焼きそばを食べた。3年ぐらい前の冬にも横手に来た時に焼きそばを食べたことを思い出した。湯沢駅からいったん地区活性化センター(そんな様な場所だった気がする)へ向かう。西馬音内盆踊りに来た観光客向けに役場が個人のお宅に宿泊できるプランを用意している。そこで、活性化センターに一度行き、個人のお宅まで連れて行って頂くのだ。今回訪問するのは高橋さんの家。車で移動すること10分ほど、西馬音内盆踊り会場のすぐ近くにある、高橋さん宅に到着。ご家族に迎えられ、お茶とお菓子を頂く。ご家族や今日一緒に泊まる観光客と話しをした後、会場へ。見学するのにベストな場所を確保して、まちをぶらぶら。

古民家カフェでお茶をしたり、盆踊りの講座を覗いてみたり、神社に立ち寄ったりと開始までの時間を楽しむ。夕食としてそばを食べる。ここはそばが有名らしい。彦三そばという店でそばを食べたが、正直感動する上手さではなかった。それから、盆踊り会場へ。日本三大盆踊りのひとつ(残りは阿波踊りと郡上踊り)だが、そこまで人が多くなかった。

夕暮れとともに盆踊りが始まると、まずは子供たちが踊り始める。早い時間は子供が踊り、遅い時間になると大人が踊る。それにあわせて唄も変わるのだ。そして、踊りはほとんどが女性であった。頭にかぶるのはい草で作った編み笠かひこさ頭巾。この頭巾は顔をすっぽり隠す頭巾なので非常に特徴的だ。町の人に聞いたら、編み笠か頭巾のどちらかをかぶるかは個人の好みだと言う。なんとも面白い。そしてお囃子の唄の内容も人々の生活感がにじみ出た内容で非常に親近感が湧いた。最後に、盛り上がりをみせ、西馬音内盆踊りは終わった。てくてくと歩いて帰り眠りについた。

東北夏祭りの旅日記 続きはコチラ「温泉が空から降ってくる」

江刺鹿踊とは

江刺に伝わる鹿踊は、「太鼓系鹿踊」に属するものです。主として、宮城県北部から岩手県南にかけての旧仙台藩領と、旧南部藩領の一部に伝わる鹿踊です。

前腰に太鼓をつけ、背に一対のササラを立て、鹿角のついた頭(カシラ)をかぶり、馬の黒毛をザイとして用い、頭から胸にかけて黒の幕垂れをさげ、自ら太鼓を叩き、歌を歌って踊るもので、これが大きな特徴となっております。通常八人で踊るもので、大別して行山(ぎょうざん)流と金津(かなつ)流の二つの流派があります。

その由来については、「村々に悪魔降伏のため御神楽を教え給えしを夫より始まるとの事なり」としており、神楽にその起源を求めるものが主流とされております。

鹿踊は、お盆の頃には祖霊供養・悪魔追放のために、秋には五穀豊穣を祈願し踊られ、江刺を代表する郷土芸能として伝承されて来ました。

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