日別アーカイブ: 2009/6/14 日曜日

「幻の光」「ワンダフルライフ」是枝裕和監督

「幻の光」’95
「ワンダフルライフ」’98
「誰も知らない」’04
「歩いても歩いても」’08

ツタヤにあった是枝監督の4つの作品を全て借りてきた。4作品借りて、作品の公開順に見はじめた。

作品発表順に「幻の光」’95と「ワンダフルライフ」’98を、まずは見終わった。一人の監督作品を立て続けてみたのは初めてだ。

そもそも映画をあまり見に行くことがない。
DVDもほとんど借りたことがなく、久しぶりにレンタルカードを作り、DVDを借りた。

大学時代に一時期DVDを見ていたことがある。理由はあまりにも映画を見たことがないので、人並み程度に映画も見なければと思い見ていたことがあるのだ。ただ、習慣化することはなかった。
だからといって、映画が嫌いな訳では全くないのだが、本や音楽や写真のように常に手元にある友達には今のところ至っていない。

話しを戻そう。是枝裕和監督は知らなかったが、監督の映画は様々な映画賞を受賞したというニュースで知っていた。その程度であった。今回、是枝監督の作品を見るきっかけ(是枝監督にお会いするのだが、その理由はまた書きます)があったので、立て続けに見た。

以下その感想。

幻の光

夫を自殺で失った一人の女性の喪の作業(グリーフワーク)の過程を、心理描写を廃したロングショットの積み重ねによって描いていく-。

自転車の鍵とその鈴がこの映画全体をひとつにしている。映画全体につながりを持たせている。後半に出てくるこの鍵や鈴の音で、映画の前半のシーンの記憶を呼び覚まし、映画全体をつなげている。

映画の終わりに近づいたシーン。

なんで自殺したか分からん。
あのときに何で線路を歩いとったのかがわからん。
あんた分かる?

海に誘われることがあるって親父が言うとった。

このシーンが強く印象に残った。

ついでにカメラの構図が好きだった。

ワンダフルライフ

人生のたった一つの思いで。その思い出を胸にあの世へ行く。
上記の幻の光とワンダフルライフの2作を見て、死との関わり方というテーマを描いている監督なんだなという気がした。こういったテーマにも関わらず、是枝監督の作品は後味がすっきりしている。

この作品単体での感想は色々なタイプの人がいることを上手く表現していると感じた。ああ、こういったタイプの人間もいるなーという感じに思わせてくれる。見た目、話し方、考え方。それがこの映画をドキュメンタリーの様な印象を与えている理由だろう。

ああ、自分は何とともにあちらの世界へ行くのだろう。もう既におこった出来事なのか、これから起こる出来事なのか。いつ、どこで、何を、誰と。


「おわり」のない最後
を思い出した。

人は亡くなった時、天国の入口でこう言われます。「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい」その問いかけに死者たちは自分の人生を振り返り、後悔し、思い出に浸る-。この世とあの世の境界を舞台に、ファンタジーとドキュメンタリーの融合した物語が展開されていく。

送信者 四国