凍 沢木耕太郎 新潮文庫

凍 沢木耕太郎 新潮文庫

沢木耕太郎さんが山野井泰史さん、妙子さんについて書き記した一冊。すべての行動を共にして、二人の心を透視して書いたんじゃないかと思うほどの作品。山野井泰史さんの「垂直の記憶」は読んだことがあり、この「凍」という本も知っていたが、ハードカバーだったので買うのが億劫になっていた。そうしたら、つい最近文庫になったので、即買い。読みはじめたら、もう止まらない。むちゃくちゃ引き込まれて、どんどん読んでいた。面白い。面白すぎる。

やはり沢木さんの文章は人を惹き付ける。行動や心理描写の正確性や精度が極めて高い。さらに、読者が引き込まれていくようなテンポの良さもある。もちろんこうした文章表現になる根底には、山野井泰史、妙子さんの圧倒的な山への熱意があるからだ。

本を読みながら自分が混み合った電車の中にいることは、完全に忘れてしまい、ギャチュンカンの壁に取り付いているような錯覚になるほど。今年読んだ本の中でもかなり上位にランクされる本。

山野井妙子さんには心底驚く。緊張とか恐怖とか興奮とか情熱とかそういったものと、落ち着きとか冷静さは、ここまで併存するのか、と。そのことに、ただただ驚かされる。山野井妙子さんは精神ではすでに一度「死」を経験しているから、ここまで冷静でいられるのではないかと思う。そうでなければ、あのような極限の状態、極度の緊張感や興奮、恐怖の中では死を恐れ、冷静になれないんじゃないかと思う。山野井泰史さんも限りない冷静さを持っているのだが、妙子さんには劣るのではないか。ただ、山野井泰史さんが勝っている能力も、もちろんいくつもある。だからこそ、すごい良い夫婦だなと思う。好きなことが同じで、やりたいことが同じで、それに向かって二人で足りない部分を補って挑んでゆく。

あまりにもすばらしい本で、読み終わってから1ヶ月以上たっているのに、興奮覚めやらず、文章がまとまらなかった。情けないが、それぐらいすばらしい本だった。

気に入った部分を引用と思ったけど、あまりにも多すぎるのと、途中まで書いたのに、遅いネット回線のせいで消えてしまった。うわー。ショック。

ついでに、買ってないけど沢木耕太郎さんの新作「旅をする力-深夜特急ノート-」も読みたいな。
(相変わらずのネットの遅さで、写真アップは無理でした。)

以前に書いた、凍の感想。
凍 沢木耕太郎
沢木さんの卓越した文章表現に吸い込まれていった。そして、もちろん書かれている対象、山野井泰史さんと山野井妙子さんの存在は、文章表現の巧みさをねじ伏せるほどの圧倒的な強さを誇っていた。
それにしても、この本は面白かった。ぐいぐい引き込まれていった。まるで自分がギャチュンカンの壁に取り付いているような気分になった。最高にすばらしい本。


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