最近読んだ本の一時的なメモ

誰かの意見や考え、作品に対して感想を述べたり、自分の意見を書くということは体力のいる作業だ。普段書き散らしている、自分の思いつきとは違う。そこに自分ではない他者とその作品が存在するからだ。だから、一冊ずつ書こうとすると、それなりに振り返る時間やまとめる時間が必要になる。それで、つい読み終えても放置となってしまう。せっかく読んでも読みっぱなしではもったいない。

今後一冊ずつ詳しく書くかもしれないし、もう書かないかもしれない。書かない可能性もあるので、簡単なメモだけ残しておく。
ここ一ヶ月ぐらいで読み終えた本で、感想を書いていないものを。

この「社則」、効果あり。柳澤大輔
あらためて組織って人なんだな。いくつもの組織を並列に見てみると、それぞれの組織にも個性ってあるんだなとしみじみと実感。人の集まりって、組織って面白い。そしてカヤックは面白い。

母なる自然のおっぱい 池澤夏樹 
植村直己さんについて書かれている章がどうしても読みたくて、絶版のこの本を探して買った。再び出発する者という章。植村さんに対する捉え方、すごいしっくりきた。植村さんがいてくれてよかったと同時に、池澤さんがいてくれて良かったと思った。

旅へ 野田知佑
旅日記。野田さんの若かりし頃、ありのままが書かれている印象があった。後半部分の日本に戻ってから、サラリーマン時代や教師時代の想いの部分に共感した。

凍 沢木耕太郎
沢木さんの卓越した文章表現に吸い込まれていった。そして、もちろん書かれている対象、山野井泰史さんと山野井妙子さんの存在は、文章表現の巧みさをねじ伏せるほどの圧倒的な強さを誇っていた。
それにしても、この本は面白かった。ぐいぐい引き込まれていった。まるで自分がギャチュンカンの壁に取り付いているような気分になった。最高にすばらしい本。

それでも脳はたくらむ 茂木健一郎
久しぶりに茂木さんの本を読んだ。雑誌の連載をまとめた本だから内容の深さはそれなり。ただ、茂木さんの文章を書くスピードをふまえると、あんな短時間でこれだけの表現が出来るのかと脱帽する。

旅をした人 星野道夫の生と死 池澤夏樹
池澤さんは星野さんのことを心の底から敬愛していたんだと伝わってきた。そして、星野さんに実際に会って一度お話をしたかったと強く強く思わせられた一冊。アラスカ大学フェアバンクス校やクイーンシャーロット島など星野さんゆかりの地をぜひ巡りたい。そんな場を通して、つながりを感じたいと思わせてくれた大切な一冊。

最後の冒険家 石川直樹
神田道夫さんについて書かれたノンフィクション。この本を読んでいると神田さんは生きていると思えてきた。なぜだろうか。たぶん石川さんがそう信じて書いたからだろうと思う。気球と言うものに対して非常に興味がわいたし、神田道夫という現代の冒険家の精神が伝わってきた。

デザインのデザイン 原研哉
一気に読み終えた。デザインがどうのこうのと言うよりも、物や行為に対してそれが生まれた理由、それがそうある理由がデザインなんだなと思った。「デザイン」をする前提としての原さんの世界の捉え方、社会の捉え方、そしてスタンスが僕の中で腑に落ちた。

送信者 いろいろ

[鬼怒川土手からの夕陽](ENTAX K10D DA16-45mm ISO: 100 露出: 1/320 秒 絞り: f/6.3 焦点距離: 70mm)

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