きみが住む星

きみが住む星 池澤夏樹 写真:エルンスト・ハース 角川文庫

写真と文章がセットになっている。
絵はがきを旅先から何通も送ったという設定なんだろう。

海外へ仕事で旅に出た男が、残してきた女に絵はがきを送る。
その絵はがきが23通、そして最後に女の文章が書かれている。

まるで実際に旅に出た時に出したかと思うような手紙が綴られている。
何気ない出来事でおこる感情の変化などを、「そう、そう、そんな気持ちになる。そんなこと考える」と言いたくなるような表現で表している。

まるで自分が旅に出て、送った手紙のような印象を得た。
もちろん写真も文章で書かれたことを指し示すものとなっている。
写真があることに寄って、池澤さんが想像したであろう風景の具体的なイメージがわいてくる。

大事なものは空に
僕を案内してくれたお婆さんさんは言った。「世界というのは広い広い空とほんの少しの地面から成り立っていますから。大事なものはみんな空にあります。」

大事なものは空に 華恵
今まで写真を通してみせてくれたものは、掴むことのできない、誰も手に入れることができないものばかり。その場所にしかないもの。時間とともに姿も変わって行くもの。コピーできないもの。本当に美しいものばかり。ー中略ー
今度こそ、私は遠くに行けそうな気がする。ー中略ー
かけがえのない美しい瞬間を見せてくれて、ありがとう。
旅の途中で迷ったら、空を見上げてみます。

送信者 座間味島'08

[きみが住む地球](PENTAX K10D DA16-45mm ISO: 100 露出: 1/250 sec 絞り: f/7.1 焦点距離: 45mm)

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