竹富島を後にして、石垣島に戻った。
そして、空港へバスで向かった。
ああ、巻き戻し。
しばらく前に来た道を、戻っていく。
来た時は、これからくる未知なる旅に胸を躍らせ、
戻る時は、旅の思い出を胸に。
旅路にはいつも「気持ち」がついてくる。
ほとんどの旅では旅を終え家路に着く。
行きと同じ道を遡る帰路もあれば、
行きとは違う道で帰路につくこともある。
行きと同じ道を帰る。
すると、今まで旅した時の流れがあっという間だったように感じる。
飛行機で那覇へと飛んだ。
那覇と言えば、国際通り。
何かしらないけど、とりあえず向かった。
うーん近代的。
もっと、細い道路に古びた薄暗い商店街だと勝手な想像を膨らましていた。
国際通りをすり抜け、公設市場へ。
噂で聞いたように、色とりどりの魚や今までに見たことのない食べ物が売っていた。
しかし、市場は想像したよりも小さく、驚くほどではなかった。
グルクンの唐揚げ定食を市場の上で食べ、壷屋町のあたりをふらついた。
相変わらず、お土産を買わない人間なので、こういった所では町をぶらぶらするしかない。
本当は、農連市場に行きたかった。
公設市場よりも、ディープな市場だと聞いていた。
ディープというと安っぽいが、地元の人が昔から買い物をしてきた市場。
そんな市場だという。ただ、朝しかやっていない。。。
町を歩き、お店をのぞき、最後の沖縄の空気を吸った。
大都市の那覇と言っても、少し裏路地を歩けばゆったりとした時間が流れていた。
そんな光景に、ほっとさせられた。
夜の闇の中を轟音とともに飛行機は離陸して、旅を終えた。
そして僕の記憶の中で、この旅が永遠にはじまった。