日別アーカイブ: 2008/6/22 日曜日

最も気に入った島(西表島) その2

前回の旅日記はコチラ「最も気に入った島(西表島) その1」

イダ浜から宿に帰る時も、蛍は光っていた。
無数の蛍と星が大地から空まで続いている。

そんな蛍と星空の余韻に浸り、幸せに包まれ、眠りについた。
目を覚ますと、外は明るく、昨夜の夢の世界から現実に突然戻された気がした。
すこし、ぼーっとしていた。

日の出がまだのようだったので、宿の表に出て空を見ていた。
太陽は何も語らず、今日も顔を出した。
全ての生き物が寝静まった集落は静まりかえっていた。
一番最初に目を覚ました太陽と少しひんやりとした空気が、「今日もいい日だよ」と、そっと教えてくれた。

部屋に戻り、また眠りについた。
朝食をとり、今日一日何をしようか話していた。
海でも行こうか、でも昨日と同じ場所もと話していたら、隣の席で食べていた夫婦に話しかけられる。

今日は船をチャーターして、網取にいくという。網取は30年前に廃村になった場所だ。シュノーケリングのポイントは網取のさらに奥と網取付近。このあたりの珊瑚や魚は抜群だという。去年も来たがあまり時間をとらなかったので、今年は廃村の網取におろしてもらい、夕方迎えに来てもらうという。

便乗しようと思ったが、帰りの船の時間に間に合わない。
今日は上原で泊まる予定なのに。上原につかない。
うーん、どうしよう。

でも、毎年来てしまうほどのサンゴってどんなものなんだろう。
どうしても、そのサンゴをこの目でみて、体で感じたい。
すると、船浮に戻り、片付けてから白浜まで宿のおじぃが船で連れて行ってくれると言ってくれた。
もう、これは行くしかない。

世界一のサンゴって、どんなんだ!!
興奮を落ち着けようとすることが無理な話だ。
アドレナリンがでまくった。
体の奥底から、湧き出てくる興奮と喜び。

朝食の後、急いで着替え、準備をした。
おじぃに船を出してもらう。

入り江になっているので、波が穏やか。空気も穏やか。
そして、かんかん照りの青空。船で走っていても海のそこが見えるほど澄み切った海。
これは、すんごいぞ!美しすぎるぞ。

ゴリラ岩を越え、網取も越えた所でイカリをおろす。
このあたりが一番テーブルサンゴがきれいだと言う。

船から海へ、少しずつ入る。
やはり海水は冷たいのだ。
でかい。デカイ。サンゴがでかい。
広大無辺とまでは言わないが、どこまでも続くテーブルサンゴ。
クマノミに色とりどりの魚。
魚の種類も非常に多い。
水はどこまでも澄み切っている。
サンゴは青や赤や黄色や様々な色のものがある。

サンゴの道とでも言おうか。
サンゴに囲まれている。
こんなにきれいな所が海にはあったんだ。
いったい、なんてことだ。
僕はハウジングを持っていないので、写真は使い捨ての水中カメラ。
こんなにきれいなサンゴと魚を見るとハウジングが欲しくなる。
うぐぐ。

こっちのテーブルサンゴ、あっちのサンゴ。
あそこにきれいな魚がいる。
そんな風にしていると、いくらでも海の中にいられる。
海の中にいると、様々な美しいものに出会える。

波照間よりもパナリよりもすごい。
ここは圧倒的にすごい。
興奮冷めやらぬまま、移動の時間になる。

それから、船によじ上り、網取の港におろしてもらう。
さーて、夕方まで自由。
人のいない、無人島に打ち上げられた感じ。
天気も抜群だし、人もいない、海もきれい、否が応でもテンションがあがる。
思う存分潜れるし、島を満喫できる。
時間を気にしなくて、好きなように楽しめるってのは本当に幸せだ。

砂浜に影がない。
いかにも人が住んでいない感じ。
日射しがすごく強くて、日陰とつくらないと焼けこげる。
さーてと、砂浜を流木探しの旅に出る。
長い流木を何本か探し、布をくくり付けて日陰を作る。
これが面白い。
なんか、たまにやる原始的な生活はワクワクする。

しばらく、自作のあばら屋で休んだ後、
海岸沿いを、南へ歩いていく。
右へ右へと、着いたあたりが一番枝サンゴがきれいだという。
さっきの場所とはまったく異なる珊瑚。
植生とは不思議なもんだ。
ご夫婦が、油揚げを魚の餌にとくれた。
水にぬらすとスグにふやけてしまうので、頭の上に乗せて魚が多いスポットまで平泳ぎ。

珊瑚の種類が違えば、魚の種類も違う。
かなり深いところまで潜水。
実に枝サンゴがきれいだ。
枝サンゴは色とりどりの刺繍を施したカーペットのよう。

海の深い所にいた伊勢エビを引っ張りだそうとした。
ヒゲを引っ張る。
触ったが、引っ張り出せない。
何回も潜って、引っ張る。
うー。徐々に奥に引っ込んで行き、ついに敗戦した。

イセエビを取ったら、祭りだったのにな。

さらに、油揚げをちぎって魚にあげると近くまで食べにくる。
おお、こんなにも近くに。
楽しい。人工的につくった水族館よりもたくさんの魚とサンゴ。
そして、自然の中で生き抜いている、そんな空間を魚と共有するワクワク感。

浜に戻り、昼飯。
宿の人がおにぎりを作ってくださった。
うまい。うまい。青空と自分たちで作ったあばら屋。
おにぎりを食うのに最高の場所。

さらに、ご夫婦がビールをくださった。
そして、おにぎりを食べる。
こんなにうまくて楽しい昼飯もめったにない。

それから、本を読み昼寝をした。
時間の経過とともに、日陰の位置も変わり、あばら屋を微修正。

砂浜のすぐ後ろがマングローブの自然林だったので、探検。
ぬるぬる。足が埋もれていく。
ぐあー。夏休みの少年だ。
ヤシガニが隠れた。ミナミトビハゼがピョンピョンと飛び跳ねる。

それから、廃村になった集落を歩く。
すでに家はなく、石垣だけ残っていた。

宿のおじぃが船で迎えにきてくれた。
シャワーを浴びて、宿の方に「また来ます」と別れをした。
そして、白浜まで船で行き、さらにおじぃは白浜まで車で送ってくれた。


旅の続きはコチラ「最も気に入った島(西表島) その3」


沖縄(八重山/西表島)旅の写真はコチラ

http://teratown.com/OKINAWA2008.html